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東海大学

教養学部人間環境学科教授 内田 晴久

現在、人口増加に伴うエネルギー需要の拡大により、化石資源が大量に消費されています。その結果、大気中の二酸化炭素が増加し、地球環境に温暖化という大きな悪影響をもたらしています。平均気温や海面の上昇、異常気象などの環境問題が引き起こされています。また、人口増加に伴う大量生産や大量消費により、多くの廃棄物が排出され、深刻なゴミ問題が起きていることも忘れてはなりません。これらの状況から脱却するためには、地球資源の使用抑制や再利用などを検討していく必要があります。

わたしたちは、化石資源の使用を抑制し環境負荷を低減できる方法の一つとして、未利用エネルギーである廃食油に注目し、大学内で調査・研究を進めて参りました。廃食油は、生産され消費されたのち、食品廃棄物として捨てられることが多いものです。しかし、活用法を工夫すれば、廃食油は石鹸や塗料、ディーゼル代替燃料(Bio Diesel Fuel)などの新しい資源になりうるものです。バイオマスエネルギーに位置付けされる廃食油は、化石燃料のような環境負荷の心配も不要です。

廃食油の有効利用法の一つとして、廃食油用が発生したその場で、エネルギーとして再利用していく方法を検討しました。その結果、環境負荷においては、従来型と比較して約8分の1、経費については10分の1となる結果となり、環境負荷低減や経費削減効果が期待でき、有効な廃食油の再利用方法と成り得ることが確認できました。

現在、食品工場やレストランなどから発生する廃食油は、平成13年の食品リサイクル法により、専門の回収業者によって回収が進められています。車両による回収・輸送が、新たな環境負荷を生み出している問題もありますが、発生元での廃食油のサーマルリサイクルによって、このような回収・輸送時の環境負荷低減も同時に改善できると考えられるのです。

このように石油資源を少しでも節約していくためには、未利用エネルギーを有効に使うことが必要となります。限られた資源を大切に利用していく姿勢が、今後の地球環境問題を解決していく上で重要です。一般家庭からの廃食油については、多くの場合、ゴミとして処理されている現状があります。これまで、大学という大きな施設での廃食油リサイクルという観点から研究をおこなってきましたが、今後は、少量の廃食油が発生する各家庭内においても、BMBボイラーによる有効な廃食油リサイクルが確立されることを期待しています。